こんにちは、いなば ひろやす です。
僕がおすすめしている、初めてプログラミングを習得するのに最も適しているプログラミング言語、それはズバリVB.NETです!
この記事では、VB.NETについて解説していきます。
プログラミングを始めようとした初心者がいきなり難しいプログラミング言語から始めてしまって、挫折してしまうケースって結構あるんですよね。
この記事を書いている僕は、エンジニア歴17年でVB6を5年、VB.NETは12年ほどやってきた実績があります。
ひとつのことを頑張り通すことが苦手なこの僕が12年もVB.NETを続けてこれたのは、やはりVB.NETが簡単でわかりやすく、挫折しずらいプログラミング言語であるというのが大きな理由と言えるでしょう。
そこでこの記事では、プログラミング初心者が最初に学ぶべき言語であるVB.NETについて解説していきます。
この記事を読めば「VB.NETとはどんなプログラミング言語なのか」、「VB.NETを学ぶことのメリット」や、「効果的な勉強方法」などが網羅的に理解できますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.VB.NETの特徴
VB.NETの正式名称は『Visual Basic .NET』(ヴィジュアル ベーシック ドット ネット)ですが、略して『VB.NET』(ブイビー ドット ネット)と呼びます。
※当ブログでは呼び方を『VB.NET』で統一しています。
1990年代後半~2000年代前半によく使用されていた、『Visual Basic 6.0』(ヴィジュアル ベーシック ロクテンゼロ)、略して『VB6』(ブイビー ロク)の後継プログラミング言語となります。
VB.NETには次のような特徴が挙げられます。
- Microsoftが開発したプログラミング言語
- .NET Frameworkにフルアクセス可能
- オブジェクト指向言語である
- プログラミング言語人気ランキング上位
それぞれ見ていきましょう。
1-1.Micrisoftが開発したプログラミング言語
VB.NETはMicrosoft社が開発したプログラミング言語です。
Microsoftが開発したプログラミング言語だけあって、やはりWindows上で動作するアプリケーションとしてOSとの親和性は高いです。
つまり、VB.NETはWindowsマシンで動作する業務アプリケーションの開発に向いているプログラミング言語ということが言えます。
OSのシェア率は依然Windowsがトップですので、業務用マシンもWindowsである可能性が高いですよね!
そういった意味では、勉強してVB.NETエンジニアになれば業務アプリケーション開発エンジニアとして重宝されます。
1-2..NET Frameworkにフルアクセス可能
.NETとは、すなわち【.NET Framework】(ドットネット フレームワーク)のことを指し、.NET Frameworkの略称が.NETということになります。
VB.NETとは、この.NET Framework環境を利用できるVisual Basic言語です。
じゃあ.NET Frameworkとは何なのかといいますと、Windowsアプリケーション開発・実行環境のことを指します。
アプリケーション開発のフレームワークとして様々な機能が内包されており、VB.NETだけでプログラムを組むと複雑なソースになるような機能でも、呼び出すだけですぐにコーディングできてしまうという便利なシロモノなのです。
また、Windowsと連携してメモリ管理やハード制御も行ってくれるので、開発者はプログラムを組む際にメモリ制御などを意識すること無く開発に専念することができます。
こういった開発者にプログラミング以外のことを極力気にさせないように、アプリケーション開発やWindowsのハード制御などを一手に引き受けてくれるのが、.NET Frameworkなんですね。
1-3.オブジェクト指向言語である
VB.NETはオブジェクト指向型のプログラミング言語です。
オブジェクト指向というのは、ある働きをする部品(オブジェクト)を組み合わせて作るプログラムのことで、現在のプログラミングの主流となる考え方です。
逆にVB6はオブジェクト指向ではなく『手続き型』のプログラミング言語なのですが、必要な機能を上から羅列していく書き方だったので、同じ内容のソースがいたるところに書かれていて冗長のオンパレードでした。
これでは作り手以外の人がそのソースを眺めてみても何をしているのかよくわからないし、メンテナンスが難しいという弊害があってムダが多かったんです。
しかしこのオブジェクト指向の考え方でプログラミングをすると『必要な機能』というのを機能ごとに部品として作っておけます。
なので、上からソースを羅列していくのではなくて部品を呼び出して使っていくというイメージで使えるので、同じことをやるのに同じソースを何回も書く必要がなく、見た目もスッキリして誰が見てもわかりやすいコードを書くことができるんですね。
今の主要なプログラミング言語というのはオブジェクト指向を取り入れたものが多数ですので、VB.NETでオブジェクト指向の考え方を勉強していけば、将来的に他のプログラミング言語を勉強するときにも役立てることができます。
1-4.プログラミング言語人気ランキング上位
オランダの「TIOBE」が発表しているプログラミング言語人気ランキングというものがあります。
毎月プログラミング言語の人気ランキングを出しているのですが、その中でVB.NET(Visual Basic)は常に上位にランキングされているんですね。
リンク先を見ていただければわかるように、2021年3月は6位で2020年3月も6位と、安定した人気であることがうかがえます。
このランキングを取ってみてもVB.NETがまだまだ人気の高いプログラミング言語であることの証明と言えますね!
2.VB.NETがプログラミング初心者におすすめな理由
VB.NETはプログラミング初心者に最適なプログラム言語と言えます。
その理由はこれらの通りです。
- 他のプログラミング言語よりも簡単
- VB6のアプリがまだ多い
- 巨大システムは刷新が難しい
- 将来的にもVB.NETの需要は伸びていく
これらも見ていきましょう。
2-1.他のプログラミング言語よりも簡単
VB.NETは他のプログラミング言語に比べて自然言語に近いという特徴があります。
VB.NETの構文や関数は英語に近いものが多いので、VB.NETをあまり知らなくてもなんとなくどういう意味の関数なのかがわかる場合が多いのです。
僕はプログラミング初心者はVB.NETを学習するのが一番おすすめと考えています。
それは、このようにVB.NETはわかりやすく比較的習得しやすいプログラミング言語だから。
いきなりC#とかJAVAとかPythonという人気は高いけど難易度も高いプログラミング言語に手を付けて挫折してしまうよりかは、簡単でそれなりに需要もあるVB.NETから入ってみましょう。
VB.NETでプログラミングに慣れて実績を積み上げてから、人気のプログラミング言語に移行していくのが意外と近道だったります。
2-2.VB6のアプリがまだ多い
先程も言いましたとおり、VB.NETの前身のプログラミング言語はVB6です。
このVB6は1990年代後半から2000年代前半に主流となっていたプログラミング言語で、Windowsアプリケーションの開発でよく使われたプログラミング言語なんですね。
つまり、2000年前後に作られたWindowsの業務用アプリは、このVB6で作られている傾向が高いのです。
それから約20年、刷新せずに使い続けられているアプリがまだまだ多く、今後刷新を迫られていくことになっていくでしょう。
そのタイミングこそ、VB.NETのスキルが武器になるのです!
2-3.他言語に刷新するのが困難
システムを刷新するにしても、VB6で開発されているシステムをわざわざC#やJAVAなどのまったく異なるプログラミング言語にマイグレーション(置き換え)して作り直すとなると、時間もかかるし費用もかかってくるのが現状です。
また、VB6で作られている業務アプリケーションは、大きいシステムであることも実は多いのです。
そしてそのシステムが巨大であればあるほど他言語にマイグレーションするのは困難になってきます。
そこでVB.NETの出番なんですね!
VB.NETならVB6からのマイグレーションは比較的に容易に行えますので、よほど大きな予算がある企業でない限りはVB6で作られたアプリの刷新にはVB.NETを使ってくる公算が大きいと言えます。
こういった企業の事情を先読みすれば、VB.NETのスキルが重宝されるということがわかってきますね。
2-4.将来的にも需要が伸びていく
VB.NETは将来的にも需要が伸びていくプログラミング言語ですので、これからVB.NETを勉強するメリットはかなり大きいです。
なぜ将来的にも需要が伸びていくのかといいますと、VB.NETは比較的簡単で習得しやすいプログラミング言語なので、企業側もエンジニアを育てるためのコストを安く抑えられるという利点があるからなんですね。
企業としても人を雇う以上は人材が育つまでの間も当然人件費を払い続けなければなりませんし、エンジニアとして育てるための教育への投資をしなければなりませんので、早く一人前のエンジニアになってくれないと人材育成のコストがかさんでしまいます。
この点においてVB.NETは他のプログラミング言語のエンジニアよりも短期間で育ってくれるため、コストが安く抑えられるのです。
コストが安く抑えられるということは、開発言語にVB.NETを採用する企業はこれからもまだまだ増えていくと予想できますので、VB.NETエンジニアへの需要は将来的にも伸びていくと言えます。
3.VB.NETを始める方法
まずはVB.NETの環境を構築をしましょう。
VB.NETでプログラミングをするための環境は無料で手に入ります。
3-1.開発環境の構築
VB.NETでコードを記述する環境や開発したプログラムを実行するための環境については、MicrosoftからVisual Studioという統合開発ツールが無料で提供されています。
無料環境であっても、個人でVB.NETを勉強するためであれば十分な機能が備わっていますのでその点はご安心を。
この記事を書いている2020年7月現在は、Visual Studio 2019が最新バージョンです。
その中でもCommunityというエディションが無料でダウンロードできますので、下のページを参考にしてもらって、まずはVisual Studioをインストールして新しいプロジェクトを開いてみましょう。
3-2.コンパイルオプションの設定を整備
Visual Studio 2019 Community をインストールして新しいプロジェクトを開くことができたら、続いてはプロジェクトの右クリックメニューからプロパティ画面を開いて、コンパイルオプションの設定を整備しましょう。
コンパイルオプションは、主にコンパイラに対してコンパイル方法を設定するためのものです。
重要なのは以下の4つの設定です。
- Option Explicit
→変数の宣言を明示的に行う必要があるか - Option Strict
→変数宣言時に型定義を厳格に行うか - Option Compare
→文字列比較を文字コードで行うか、文字列で行うか - Option Infer
→型を推論するか
これらについては、下の記事で詳細にレクチャーしていますので、コンパイルオプションについて理解を深めてください。
3-3.コントロールの配置とプロパティ設定
コンパイルオプションの設定を整備して準備が整ったら、続いてはフォームにコントロールを配置して、プロパティの設定をいじってみましょう。
コードを書く前に、まずはアプリケーションをどういうデザインにするのかというのをざっくりと決めてるべきですね。
例えばボタンをクリックしたらどういう動きをするのか、テキストボックスに書き込まれた文字情報をどのように活用していくのか、といったことからアプリケーションの動きが決まっていくことになります。
なので、まずは下の記事を参考に、コントロールの配置方法とプロパティの設定方法を学習しましょう。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
VB.NETがどんなプログラム言語で、プログラミング初心者が最初にVB.NETを勉強するべき理由、VB.NETの勉強方法などがわかっていただけたかと思います。
初心者にVB.NETがうってつけな理由は、自然言語に近いのでプログラミングがまだ未経験という人にも入りやすい言語であると言えるからなんですね。
プログラミング未経験の人がいきなり難易度の高いプログラム言語に挑戦してしまうと、挫折してしまう可能性も考えられますよね。
なので、まずは比較的簡単なVB.NETでプログラミングの基礎をしっかり習得してください。
VB.NETで基礎を習得してから、JavaやPythonなどの人気のプログラミング言語にステップアップしていくことを推奨します。
2020年には小学校でプログラミングが必修化されます。
プログラミング必修化と言ってもプログラミング言語の授業をやるわけではありませんが、普段の授業の中で論理的思考を育成するような授業構成となるようです。
国レベルでこうした取り組みを行うということは、10年後~20年後の世の中はプログラミングができて当たり前の時代になっているかもしれません。
そうなると、プログラミングができないということが大きなハンデになっていく可能性も十分ありえますよね。
そうならないためにも、この機会にVB.NETを活用して今からしっかりとプログラミングを学んでみてはいかがでしょうか。
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